デジタルパーマは根強い

デジタルパーマという言葉が美容業界に降臨して、何年なんだろうか。いつのまにか市民権を得ています。

その間に色々な関連の商品が各メーカーからリリースされています。それぞれの観点から商品開発が進み、完成度は高くなってきたんだろうと思います。

 

デジタルパーマで傷んでしまった時代

デジタルパーマの失敗

初期のデジタルパーマはとにかく悪評が多かったのも事実。でも物珍しさとネーミングの良さも手伝って、どんどん広まっていきました。美容業界は毎日毎日その話題ばかりでした。ただ、新しいものだけにまだまだ未知の失敗はかなりありました。時代背景は急激なヘアカラー成長期の真っただ中。しかもハイレベルのカラーの繰り返しや、ブリーチも当たり前の時代。

でもその時代のほんの何年か前までは、まだまだヘアカラーでさえ未知の領域。カラーといえば白髪染めがメインの時代でした。明るくしている方はほとんどいなかった時代。カラーをデザイン的に当たり前に楽しむなんて考えなんて無しの時代。

暗めの時代でしたから、傷んでいるといっても現在(2017年4月頃)の様に毎月のハイトーンのヘアカラーやコテやアイロンのダメージはほとんどない時代。ですからパーマの薬剤は強めの薬剤を使用し、それでも過膨潤やビビリなどの今では当たり前に予想出来る失敗なんて無かった時代です。その時代から一気にハイトーン、ブリーチや毎日のアイロンの熱。

つまり一気にお客様の毛髪のダメージ毛状態が加速したので、過膨潤やビビリなどのリスクへの知識が追い付かなかったので、各地で失敗が繰り広げられたものです。その時にはなぜ?こんなことに?という今では常識になっている要因がまだまだ認知されていなかった時代です。

そういえば同様の失敗は縮毛矯正とパーマにも

同様な事例は縮毛矯正でもありました。少しずつ縮毛矯正が認知度が上がってきた時代と思います。それまでの時代背景は、縮毛矯正はよっぽどの特殊な専門店でしか導入出来なかった時代。当然色々な事例がありました。今から考えれば当然と思う事も多かったのではないかなと思います。

20年前位のことでしょうか。ある取引先の美容室に呼ばれました。その美容室に納品させていただいていたパーマ液のクレームという事でした。お店に訪問させていただくと、お客様がもうチリチリゴワゴワの状態。もうお客様も美容室のオーナー様も大変なパニック。逆に今の時代ならばこのような失敗を目にすれば、すぐに理由は想像できる事と思います。ただ当時はいかんせんこのような事例は見たことが無かった。お客様はもちろん、美容師さんもですが、当時のディーラーやメーカーの人間でさえも。

勝手に薬剤を変えるな

開口一番の美容師さんの声でした。どう考えてもあり得ない事でした。メーカーさんが予告なしに薬剤の処方を変えることなどは、冷静に考えればあるわけありません。でも当時からすれば当然そのような状況だったと思います。今までの同じお客様にいつもと同じ薬剤を使用し、いつもと同じタイムで施術し、いつもと同じ工程での施術。なんで突然こんな状態になるんだろう。唯一違うのは、導入したばかりの縮毛矯正後のパーマの工程。原因を突き止めるためには色々消去法で前回までの施術や、その際の施術でいつもと変わったことが無いかを色々聞き出します。

そんな状況でも、まさか導入したての縮毛矯正の後のパーマが、今までと違いどんなにシビアかは全然認知されていない時代。今の時代でしたら当然の事でしょう。そんな時代をくぐり抜けて、失敗を重ねながら少しづつリスクの理解を進めてこれました。

 

デジタルパーマでも薬剤のコントロール

そんな失敗の繰り返しをしながら、薬剤の進化や成長を重ねてきました。過膨潤によるちりつき。カールは何とか出てくれたが質感が異様に硬い。しばらくするとゴワゴワになる。2回目3回目は施術できないなど。デジタルパーマの失敗も数々経験してきました。

まず、デジタルパーマの場合の失敗の原因は何といっても過膨潤。オーバータイムからビビリに発展することも。これは一般的に縮毛矯正と同じ種類のリスク。

次にあるのはやはり熱のトラブル。これは実は結構ある事なんです。

デジタルパーマの熱のコントロールは縮毛矯正の熱のコントロールと違う

縮毛矯正とデジタルパーマでの熱の目的は基本的に同じですが、熱のコントロールは物理的に難しいのがデジタルパーマ。なぜ物理的に難しいのか。それはアイロンとロッドの差。軟化された毛髪に対しての熱ですから、なるべく必要以上の熱は与えたくないのが本音。でも適切な熱は必要。アイロンの場合はたとえば毛先の傷んでいる部分にはアイロンの熱を逃がす事が出来ます。つまり加減が出来るという事。しかしながらデジタルパーマは一般的には熱の加減はなかなか上手くいかないことも多いのが特徴。

それはたとえばロッドは円形。スライスの厚さによってはロッドの内側の熱が熱くなるので物理的に言えば内側の方が余計な熱がかかりやすい。ウェットの状態から熱を加えていき、乾かすまで熱が必要なのですが、乾いていないとカールはもちろんかかりが弱くなります。ということで完全の乾かさないといけないので、どうしても熱のあたり過ぎにおちいりやすくなります。

デジタルパーマが出たばかりの時はロッドの温度は120度

まだまだ出だしの頃は熱の意味もあまり理解はされていなかったのも影響したと思いますが、ロッドはかなり高温で設定されていたと思います。つまり熱の真意をほとんどの方が理解できていなかったのでしょう。温度は高ければ高いほどかかりが良いと広まったように記憶しています。ですから毛先のカラーの繰り返し、ブリーチの繰り返しの部分でもお構いなしでガンガン加温。その時はビビらなくても、毛髪自体はもうとっくに限界を超えています。よく考えてみたら逆に縮毛矯正でもこのような無茶はしないと思います。縮毛矯正であれば毛先のダメージの部分はアイロンであれば熱をよけて施術したはずですが、新しいネーミングの技術ですとどうしても理解が後になってしまいます。その結果は毛先のダメージ毛の部分からロッドの高温にさらされる時間が長いということになってしまったわけです。つまり縮毛矯正では皆様が普通にやってきたこと、注意してきたことと真逆になってしまったわけです。当然毛先はガチガチ。そんなこんなでデジタルパーマ離れが美容室でひろまりました。

美容業界独特の広まり方

とにかく美容業界はブームで一気に広まりやすい。特に集客媒体などのあおりもあり、競う様に導入が進んでいきます。しばらくすると、同じ地区でどんどんと同じ商材が導入されていきます。そして競う様に同じメニューの価格が下がっていくのも美容業界の特徴でしょうか。競う様に広まる反面、技術をじっくり育てていく土壌は失われていったような気はします。長くじっくり育てる余裕もなくなってきているので、例えば一回の失敗で、そのメニューや薬剤を使わなくなってしまう。当然にその薬剤のポテンシャルを引き出せないまま、使わなくなってしまった薬剤も多いと思います。過度な競争からもっとじっくりと育っていけば、もっと良い結果をお客様に提供できると思います。

地域特化の考え方

そんな考えから、弱酸性縮毛矯正エアーストレート®は創業以来の方針として、過度に同地域での導入はさけてきています。それは、導入店様の差別化を徹底するということと、過度な競争から生まれてしまう技術や薬剤の慣れや理解の深まりを阻害することを避ける為です。

技術やメニューは導入したら天国?

良くこんな事を耳にします。○○○を導入して単価アップできます。

場合によりますが、我々としてはやはり技術はじっくりと慣れていただき、じっくりと良さを引き出して頂いてこそ、長くお客様に提供頂き、長くリピートしていただける薬剤に成長できると思います。エアーストレートにおいてもそのような観点をずっと守ってきました。その為にずっとご利用いただいているお客様もかなりの数になってきました。縮毛矯正では異例なのではないかなと思いますが、スタートの当初から続いていただけているお客様は、白髪染めの世代になってもリピートいただけるほどの長い期間、ご愛顧を頂いております。弱酸性縮毛矯正エアーストレートの薬剤はそうやって育てて頂いてきました。

 

エアーストレートの薬剤を使用してデジタルパーマを

エアーストレートの薬剤を使用してのデジタルパーマは導入店様では一般的に施術されていると思います。縮毛矯正と同時に毛先のカールを求められる方も多いですし、当然ニーズも多いと思います。このデジタルパーマの大きな特徴は何といっても柔らかさ。これはやはり弱酸性の薬剤のコントロールと、熱のコントロールによる結果です。

デジタルパーマは縮毛矯正に比べて、結果は元のダメージの状態に左右されやすいのが特徴です。毛髪のダメージ状態により、カールを支える力が毛髪にあるかないかが重要です。よくこのダメージ毛にかかりますか?という質問を美容室で受ける事もありますが、なかなかに難しい質問なんです。どう答えて良いものか悩む場合が多い質問です。かかることはかかるけれどもキレイに見えるか、毛髪は曲がりますがキレイには見えにくいなど。

エアーストレートならば、毛先がかなりのダメージがあってもキレイにする事は出来ます。これも弱酸性の薬剤のコントロールのしやすさの特徴を生かしていますし、ストレートは毛髪が重力で下に下がっているから、ダメージの進行をコントロール出来れば(ここでもやりすぎには注意)キレイに仕上がります。しかしながらデジタルパーマの場合は毛先は特に傷みがありますとカールを支える力が無くて、きれいにカールが出すことが出来ません。元のダメージが仕上がりに影響が出る要因が大きいのです。ここがエアーストレートと少し違うところです。

今回の毛歴

ロングのモデル様。硬さは普通毛。白髪が気になるので、生え際を中心に頻繁にホームカラーで染めるとの事です。毛先はダメージと毛量調整もあり、ペラペラの状態。施術後にカールがきれいに表現出来ないので、毛先の極端に薄い部分は少しカットしてから施術。

 

施術前

さすがにこの毛先の部分はキレイに仕上げるのは厳しいと判断しました。カールを支える力が無いかなと。ストレートならば問題は無いのですが…

なので、毛先をほんの少しカットさせて頂いてから、施術スタートしました。

 

薬剤のタイムは5分

パーマの、加温は70度で8分

トータルで1時間20分の施術でした。

エアーストレート×デジタルパーマを施術されておいでの美容室の皆様は結構多いのですが、意外にデジタルパーマのニーズも高いのです。

デジタルパーマの機械が使わなくなってしまっていた美容室も多いのではないでしょうか?

理由は仕上がりがゴワゴワになってしまう、硬くなってしまう、傷んでしまう。薬剤である以上、ダメージは当然のリスクなのですが、弱酸性エアーストレートの薬剤はダメージのコントロールが慣れれば容易です。熱のコントロールもしっかりできれば、エアーストレート×デジタルパーマは

弱酸性デジタルパーマ独特の柔らかい仕上がりとしっかりとしたカールを楽しめます。

 

 

是非よろしくお願いします。