今回ご紹介するモデル様はこの頃圧倒的に増えている髪質。
ナイロンみたいな毛質。そういえば一昔前のナイロンのエクステの様な感覚の髪。
なんかこの頃増えている様な。エアーストレートの講習のモデルで目の前にする機会が増えています。
ものすごく細いっていう訳では無いんです。もっと細い方はいらっしゃいますよね。でもそんな表現ではなく。もちろん細くてコシが無い髪なんですが、髪の内部が無いみたいな感覚。
今回のモデル様は白髪染めを2週間前。カラーも繰り返しておいでになり、かなりダメージも進んでいらっしゃいます。
縮毛矯正も繰り返しているのですが、なかなか伸びません。というのも細くて熱のダメージもあり、今までの施術でも、一瞬でビビリまで到達してしまうので怖い。思い切って薬剤をつけられない。そんなシビアな状態。
髪を濡らすと重い感じ。特に毛先の矯正履歴がある部分には。ペタペタと乾きにくいような感覚。これはポーラス毛と呼んでいますが、なかなか乾きにくい。傷みすぎていると言うよりも、違う髪みたいな。
あとはナイロンに似た手触りも。
ここを解決したい訳ですが、薬剤を思い切って出来ないので、選択肢がほとんど無い。薬剤のストライクゾーンが少ないんです。くせも結構強いのですが、ダメージと毛髪状態による薬剤タイムの調整の難しさ。技術的には今回はエアーストレートのバージョンアップを色々試していますが、エアーストレートのユーザー様でかなり激増している白髪染めのお客様。年齢が進んでからくせが出てきた方も多いのですが、そんなエイジング毛はなかなかキレイになりにくいんです。エアーストレートは比較的、薬剤タイムの幅が広いので、その幅の広さを最大限に利用します。バージョンアップはそんな使い方にも威力を発揮出来そうです。
今回の仕上がりはこちらです。
年代が上がると髪はどうしても薬剤バランスの調整が非常に難しい訳で。一般的に浸透しやすい細い髪。ですが例えばくせ毛を伸ばしたり、パーマをかけたりする場合には、薬剤が働く相手が必要なんですね。ただ、お客様でも様々な髪質やそれに対する悩みはあるとはおもいます。その時代に合わせて様々な薬剤が出てきたり、それ以前は失敗してしまったり。その反省をバネに様々な研究やトレーニングを行いながら、進化してきています。常にそんな感じです。そもそも昔なんて、くせ毛を伸ばすなんてクレイジーな世界だったんですよね。でもほぼ伸ばせるのが当たり前になった。昔は伸ばした後に普通にパーマをかけてしまってあれ?なんて事もあっちこちで多発しました。縮毛矯正が出たばかりの時には。
また、以前はカラーチャートでアッシュがいい!なんてカウンセリングでお話ししたお客様。美容師さんがブリーチしてからアッシュをのせたら、マットになっちゃった…なんて事もしばしば有りました。それは一気にヘアカラーが一般的にされる様になって、明度(髪の明るさ)が明るくなっていくスピードに技術がまだまだ追いついていなかった時代だったからです。
ましてや、カラー剤を販売している方々も同様でした。質問されても答えられない自分がいましたね。2年位かな。。アンダーベースなんて言葉が出てきたのは。確か今から20年以上前の話しでした。
そもそも、当時はヘアカラーはメインが白髪染めの時代。つまり皆様は白髪染めをする際にいかに赤味が出ない様にするかが、勝負だった時代。ですからヘアカラーはほとんどがいわゆるナチュラル(N)かナチュラルブラウン(NB)の1ラインか2ラインがメインだった様な。皆さまはそのカラーチャート(色見本)を見て、美容師さんにオーダーした様な時代でした。だからNナチュラルには赤味が出ない様に緑(補色といいます)含まれていたのが当然な時代。明るくしながら赤味を出さない様にするのが一般的だったので、自分も含めてカラー剤の持っている色までは気にしていなかったのですね。それも気づいたというか、勉強するきっかけになったのは、ヘアカラーが爆発的に広がってから。それまでは先程も触れた様に白髪染めがメインで、若い方々は全然染めなかった。
カラーというよりは、いわゆるアウトロー的ヤンキーの脱色と言った感じ。メッシュもその一つ。
だから普通にヘアカラーを楽しむという時代に一気に風向きが変わる頃の狭間の時代には、そんな緑になっちゃったよー的な事か頻繁にありました。もっと笑っちゃうのが、ヘアカラーが不良品だーなんて、大騒ぎにも。アッシュなのに、マットがチャーブに入ってるよー。メーカーの方々は、すみませんー、交換しまーす。これは本当にあったやりとりなんです。もちろん自分も真っ只中で同じでした。だからお客様のニーズ、時代を追う様に進化する事が大切。進化するって事は今までの常識では計れない事も出てくるんです。ヘアカラーが普通に楽しめる様になるまでには美容室の皆様のそれまでの常識から脱却した様な。
だから美容室としても様々な時代に合わせた進化が必要になります。
今回の様な細くてナイロンの様な?髪は前からはあったはずなんですが、このところは一気に増えている感じがします。
食生活の変化なんていうのもあるかもしれませんし、ヘアカラーの頻度も以前よりも高い様な気がします。
あとは自宅でのホームカラー。昔と違って楽に染められます。だから気になった白髪をさっと染めてしまう事ができるので、頻度が上がっている事と、さらに時間の置きすぎによるダメージが更に進行してしまう事も要因として、あるのではないかなと思います。
もちろん、年齢と共に変化するホルモンバランスにより、毛髪が細くなってしまい、髪自体もコシが無くなってしまったので、余計に傷みやすくなってしまった事が最大の要因かもしれません。
この頭皮にも様々な研究が進んでおり、増毛、発毛、髪を太くするという技術も進んでいます。
だから年齢を重ねるとどうしても出てくる髪の衰え。ホルモンバランスも原因ですが、髪のねじれ、まとまらない、薄くなる、髪が細くなる、コシがなくなる、ボリュームが無い。などの悩みは少しでも解消出来る様になるかと思います。
是非今後もご愛顧頂きたいエアーストレート。
よろしくお願いします。